自民・公明・維新が疑惑にフタ
東大阪民報No.10920
「市長は金銭授受の真相を明らかにせよ」ー。東大阪市の野田義和市長が、2020年10月、市内運送会社元社長から200万円を受け取っていたとの疑惑が浮上しています。
贈賄容疑の人物「市長に200万円渡した」
この問題は、東大阪市議会「草莽(そうもう)の会」の樽本丞史市議が6月13日に開かれた本会議の一般質問などで指摘しました。
樽本市議は野田市長に金銭を渡したとされる元社長から、2021年12月、学校給食の配送業務をめぐり100万円の金銭を受け取ったとして収賄罪で公判中ですが、元社長から直接、聞いたとして、明らかにしました。元社長は現在、贈賄容疑で在宅起訴されています。
同運送会社は2020年8月、一般競争入札で建物付きの市有地を落札。
樽本市議によれば、元社長は、解体予定の建物がまだ使えるのではないかと判断し、2020年10月5日、元社長の事務所で「耐震検査の費用」として、野田市長に200万円を渡したとしています。
同20日には、野田市長がコロナを理由に解体を5年先延ばしにできると回答。それに対し、元社長は11月20日に5年では不十分として「もう解体する」と電話で伝えたといいます。
野田市長は翌日(21日)、返金に来ましたが、元社長は受け取らずに、そのまま持って帰ったというものです。
否定するも、元社長の事務所には立ち寄った?
本会議での質問に対し、野田市長は「そのような事実はございません」と否定しましたが、20日の総務常任委員会で、日本共産党のしおた清人市議が2020年10月20日の市長公用車の運行記録に基づき、元社長の事務所の住所地に立ち寄ったのではないかと追及。
野田市長は「行ったのではないかと思います」と答弁しました。
調査特別委員会を提案自民、公明、維新が反対し否決
日本共産党市議団はこうした経緯から、野田市長と元社長との間で何らかのやリ取りがあったという疑念がぬぐえない一方、金銭授受については、「見解が180度食い違っていることから、双方の意見を聴取することが必要」として、新社会党とともに市議会最終日の23日、「野田義和市長の金銭の授受にかかる調査特別委員会」の設置を提案しました。
大阪維新の会市議団は、総務委員会で、この疑惑に対して市長を追及していましたが、同委員会の設置には一転して反対し、与党の自民、公明とともに、疑惑にフタをする態度をとリました。
日本共産党——真相解明へ全力
日本共産党市議団のしおた清人団長は「金銭の授受をハッキリさせなければ、行政への信頼は回復できない。議会のチェック機能を果たすべく真相解明へがんばりたい」としています。