命と健康をまもる保健所体制が前進
東大阪民報No.10885
コロナ禍で「保健所に電話してもつながらない」など脆弱な医療・保険体制が問題となリました。
6月議会で共産党市議団は、常勤保健師が人口比で、全国の中核市58市中49番目の低さであり、府下中核市では下から2番目の水準であることを厳しく指摘し、保健師確保を強く要望しました。
これを受け、東大阪市は正規職員での保健師確保を開始し、大きく改善し2年間で常勤保健師が20名増えました。府下の中核市では、人口比で最も増やしています。
ちなみに、維新市政の八尾市は、コロナ禍の中、常勤保健師が10人減っています。
2019年度 | 2022年度 | |||
人数 | 人口10万人あたり | 人数 | 人口10万人あたり | |
寝屋川市 | 51 | 22.1 | 56 | 24.5 |
吹田市 | - | - | 83 | 21.9 |
高槻市 | 69 | 19.6 | 73 | 21.0 |
東大阪市 | 78 | 15.9 | 98 | 20.1 |
枚方市 | 69 | 17.1 | 78 | 19.7 |
八尾市 | 61 | 22.9 | 51 | 19.4 |
豊中市 | 58 | 14.3 | 67 | 16.4 |
保健所職員は過労死ライン まだまだ不十分な保健所体制
この間の東大阪市の保健所体制強化は評価しつつも、まだまだ不十分な点を指摘しなければなりません。
2021年度は、保健所職員の時間外労働が過労死ラインとされる月80時間を超えた事例がのベ270人にのぼりました。1ヶ月に233時間の時間外労働をした職員もいます。
日本共産党は市議会で、これらの事実を示し、まだ体制不足であリ、体制強化と職員の育成を強めるよう求めています。
コロナ禍前から指摘されていた、保健所などの体制強化の重要性
2007年に現在の野田市政がスタートし、2008年に維新府政が誕生しました。
その直後の2009年、新型インフルエンザが世界的に流行しました。
この事態をうけ、2010年に厚生労働省の有識者会議が地方自治体の保健所体制
などの大幅な強化を求める重要な提言(下記)を発表しています。
しかし、自公政権も維新府政も、東大阪の野田市政もこの提言を全く無視し、保健所など公衆衛生の体制強化をおこなってきませんでした。
コロナ感染で多くの方が苦しみ、亡< なられたことを考えると、且公・維新・野田市政による「人災」といえます。
2010年6月10日厚生労働省の有識者会議 新型インフルエンザ対策総括会議報告書より
感染症の危機管理に関わる体制の強化
国立感染研究所や検疫所などの機関、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化、人材の育成を進めるとともに、関係機関の在り方や相互の役割分担、関係の明確化等が必要である。
結びに
とりわけ、新型インフルエンザを含む感染症対策に関わる人員体制や予算の充実なくして、抜本的な改善は実現不可能である。この点は、以前から 重ね重ね指摘されている事項であり、今回こそ、発生前の段階からの体制強化の実現を強く要望し、総括に代えたい。
事実と道理で市政を動かす日本共産党の論戦
全国の中核市の保健所体制を調査し、東大阪市の遅れた実態を市議会で示した直後、担当職員が「その資料をください」と申し出ました。そしてその後、保健師採用が進みます。
日本共産党の事実と道理を示した質問が市政を動かし、市民の命と健康をまもる体制への画期的前進が実
現しました。
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2022年 | |
4月1日 | 4月1日 | 4月1日 | 4月13日 | |
保健所職員数 | 52 | 58 | 71 | 75 |